武満徹の肖像 ~武満徹没後30年記念企画~

2026年9月26日 ~ 2026年9月26日 水戸芸術館 コンサートホールATM

武満徹がこの世界に
遺した音楽

 武満徹がこの世を去って、30年の歳月が過ぎた。しかし、武満がこの世界に遺した音楽は、今も私たちの周りに息づいている。それは、武満自身が真に「時間の園丁」であったことの証なのだろう。
***
〈時間(とき)の園丁〉
 昔、感心して読んだ、オーストラリアの少女の、俳句のような、短詩を憶いだす。
  時間(とき)は生命(いのち)の木の葉、
  そして、私はその園丁だ。
  時間は、緩(ゆ)っくりと、落ちていく。
  (中略)
 私もまた時間(とき)の園丁だ。
 無限の時間に連なるような、音楽の庭をひとつだけ造りたい。自然には充分の敬意をはらって、しかも、謎と暗喩に充ちた、時間の庭園を築く。だがこれは、あるいは、不遜な野望かもしれない。それにまた、それが可能だという保証もない。一枚一枚の生命(いのち)の木の葉を搔き集めて、火を点す。それは祈りのようなものだ。内面に燃焼する焔が、この宇宙の偉大な仕組みを、瞬時でも、映しだしてくれたらいい。だがそれには、私がこれまでしてきた努力では、未だ到底不足だろう。落葉(らくよう)の光景に安らぎを覚えながら、反面、抑えようもない苛立ちが私をとらえる。
 庭の片隅の小さな菜園に、蕪(かぶ)が、まるい白い肌をころころと無心に晒している。間もなく霜が降(お)り、水道の水も凍る。時が経って、鳥たちが再(ま)た戻ってくる頃までには、いまの仕事を了えなければならない。
 時間は、緩(ゆ)っくりと、落ちていく。
 ――武満 徹『遠い呼び声の彼方へ』(新潮社1992年刊)より 
 [出典:期刊《都響》1988年1月]
***
 本公演は、武満徹が戦争によって奪われた自己の「生」を取り戻したいという想いのもとに作曲活動を開始した最初期の作品から、前衛音楽の影響を受けながら独自の音楽語法を磨き上げた時代の作品、そして、最後に辿り着いた「歌」の境地まで、その創作の軌跡を辿るとともに、武満が望んだ時間の庭園を巡るものである。

開催日時 2026年9月26日2026年9月26日
16:00 ~
会場 水戸市水戸市五軒町1-6-8
関連URL https://www.arttowermito.or.jp/hall/lineup/article_4783.html
料金 【全席指定】一般 4,500円 U-25(25歳以下)1,500円 「秋庭歌一具」(10/4)公演とのセット券(枚数限定)7,000円 ※未就学児入場不可
備考

15:30開場・16:00開演

情報更新 2026年5月30日 (URL)

コメントを書く