画家 岸田劉生の軌跡

2014年6月21日 ~ 2014年8月17日 笠間日動美術館 企画展示館

岸田劉生(1891-1929)は、近代の日本美術において最も個性的な画家のひとりです。わずか38歳という短い生涯にもかかわらず、画家として極めて振れ幅の大きい道程をたどりました。
17歳で白馬会の洋画研究所(赤坂葵橋研究所)で黒田清輝に外光派の画風を学びます。20歳の時、雑誌『白樺』の同人、武者小路実篤らとの交友によってゴッホやセザンヌを知り、多大な影響を受けます。この『白樺』における実篤との出会いが、劉生の人生に画期的な意義を生み出し、彼にとっての「第二の誕生」と言われています。1912年後期印象派に感化された若者たちのグループ「フュウザン会」を結成しますが、翌年には解散します。23歳で長女の麗子が誕生してから、愛情をこめて数多くの麗子像を描きました。その代り、自画像を描くことがめっきりと少なくなり、いわば麗子像は劉生の形を変えた自画像となっていきます。この頃から、デューラー、レンブラントからの「クラシックの感化」が強まりを見せ、精緻な写実を追求し、物や人物の存在を深く見つめる「内なる美」の探求に進みました。また数十人の同人により結成された在野の美術団体「草土社」のリーダーとして活躍し、日本画壇に大きな足跡を残しました。やがて大正時代の後半になると劉生は、宋元画や初期肉筆浮世絵、南画などの東洋的な美に心ひかれて、それらをみずからの芸術に反映させようと試みるようになりました。
本展覧会では、《自画像》《麗子十六歳之像》《村娘之図》などをはじめとする数々の代表作に加え、麗子が随所に散りばめられた装丁画も展示し、油彩、水彩素描、日本画、版画作品等に関連資料などを含めた130余点により、劉生芸術の全貌をご紹介いたします。

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【会期中のイベント】
・学芸員によるギャラリートーク
7月5日(土)、8月16日(土)
・水彩・パステル基礎講座
各日10:00~15:00(1時間の昼休憩を挟む)定員:30名(要予約)
6月21日(土)「樹木のフォルム(根と大地)」
7月19日(土)「クロッキー(人物)」
8月 9日(土)「斜め向きの自画像を描く」
・1日画家体験 テーマ「モーリス・ユトリロ」
7月12日(土)
10:00~15:00(1時間の昼休憩を挟む)
定員:30名(要予約)
※各イベントの詳細はお問合せください。

開催日時 2014年6月21日2014年8月17日
09:30 ~ 17:00
会場 笠間市笠間978-4
関連URL http://www.nichido-museum.or.jp/
料金 大人100円、大学・高校生700円、中学・小学生300円、65歳以上800円
備考

入館受付は16:30まで

情報更新 2014年12月30日 (URL)

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